カメラ単体での
エッジコンピューティング
BOSCH製監視カメラは、カメラ単体で多彩な動態識別機能を備えています。カメラ単体で検知・検索などの画像処理を行うことで、高度な処理を遅延なく行うことができ、これまでの監視カメラ領域を越える連携ソリューションを可能にします。
BOSCH VCA(Video Content Analatics)
ボッシュ製監視カメラのVCA(映像データ解析)は、カメラ周囲の監視領域における動体識別など、映像データを自動検知・解析する仕組みです。
検知した情報はメタデータの統計情報としても収集されます。
ボッシュ製監視カメラは、カメラのタイプにより下記のVCAアルゴリズムが使用可能になります。
EVA(Essential Video Analytics)
カメラの中に画像解析機能を有し、動く物の大きさ、進行方向、速度、距離、縦横比、色味等を解析します。解析データを録画ストレージに保存することで、指定条件で高速に検索することが可能です。巻き戻し・早送りを繰り返す必要はありません。
IVA(Intelligent Video Analytics)
IVAは、EVAの解析機能に加え、より堅牢な動体検知・追跡機能を有します。対象外の映像ソースによる不要なアラームの発生を抑えながら、動体を確実に検出・追跡・解析する、最新の高度なインテリジェント映像解析機能です。Bosch独自の研究開発によるIVAは、照明条件の変化や、雨風、水面、雪の環境、風に揺れる葉など、困難な条件へ適応が可能です。また、カメラの振動も自動で補正します。
EVAとIVAの機能特徴と比較
タスク・アラームルールの例
大分類 | タスク | IVA | EVA | 機能 |
---|---|---|---|---|
IVA・EVA | エリア滞留検知 | ○ | ○ | 一定期間特定エリアに滞留している動体に対してトリガー発生 |
ライン横断検知 | ○ | ○ | 仮想ラインを、1方向から跨いだ場合にトリガー発生 | |
不審者検知 | ○ | ○ | 一定期間特定エリア内で、一定距離の移動を繰り返した場合にトリガー発生 | |
状態変化 | ○ | ○ | 人が倒れるケースなど、物体の縦横比率が急激に変化した場合にトリガー発生 | |
軌跡追跡検知 | ○ | ○ | 特定の軌跡を描いた場合にトリガー発生 | |
いたずら検知 | ○ | ○ | カメラ画角を変える、強い光を当てる、塞がれた際にトリガー発生 | |
持ち去り検知 | ○ | ○ | ||
置き去り検知 | ○ | ○ | ||
エリア侵入検知 | ○ | ○ | 特定エリアに外から入ったらトリガー発生 | |
エリア退出検知 | ○ | ○ | 特定エリアから外に出たらトリガー発生 | |
類似検知 | ○ | ○ | 大きさや色が似ている物体に対してトリガー発生 | |
占有検出 | ○ | ○ | 特定エリア内に複数の動体が入ってきた場合にトリガー発生(数段階のしきい値) | |
カウンター | ○ | ○ | 動体がエリア侵入または仮想ラインを跨いだ場合にカウント | |
IVAフローモード | 流れ逆走検知 | ○ | × | 動体を流れとして捕らえて逆方向に流れる物体に対してトリガー |
フィルターとトラッキングモード
タスク | IVA | EVA | 備考 |
---|---|---|---|
期間 | ○ | ○ | 一定時間のタスク、アラームルールの条件が継続した場合にトリガー |
サイズ | ○ | ○ | |
縦横比 | ○ | ○ | |
速度 | ○ | ○ | |
方向 | ○ | ○ | |
色 | ○ | ○ | |
動体分類 | ○ | ○ | 人、バイク、車、トラックで対象を限定 |
トラッキングモード | IVA | EVA | 備考 |
---|---|---|---|
標準 | ○ | ○ | |
3Dトラッキング | ○ | ○ | 人・バイク・車・トラックを抽出 |
3Dピープルトラッキング | ○ | ○ | 真下方向で人だけを抽出 |
船舶トラッキング | ○ | × | 水面の動体を検出 |
ミュージアムモード | ○ | ○ | 壁面に触れる場合の検出 |
顔検出 | ○ | × | カメラによる顔検出で静止画を送信 |
その他 | IVA | EVA | 備考 |
---|---|---|---|
インテリジェント追跡 | ○ | × | AUTODOME、MIC、MPカメラ(ROI) |
※「逆走検知」「顔検出」「インテリジェント追跡」「船舶検知」は、IVAにより実現可能な機能です(EVAには備わっていません)。
カメラ単体での映像検知の例
1.駐車禁止ゾーンへの侵入検知(EVA・IVA)
動体を「車」として検知。制限エリアへの長時間の駐車を検知しアラームをトリガー。
2.エリア滞留検知(EVA・IVA)
敷地内に人が立ち入った時にアラートを受信することができます。
3.置き去り検知(EVA・IVA)
エリアに物体が放置され、ある程度の時間が経った場合にアラームをトリガー。潜在的な脅威を未然に防ぎます。
4.ピープルカウント(EVA・IVA)
エリア内の人を検知し、さらに数をカウント。顧客行動の分析に活かすことも可能です。
5.待ち行列検知(EVA・IVA)
規定エリアに一定以上の人数が超過した際にアラームをトリガーする事が可能。
6.逆走検知(EVA・IVA)
一方通行の道上で逆走する車を検知することができます。
7.インテリジェント追跡(IVA)
動体を事前に設定したルールに基づき自動追跡することができます。
8.境界突破検知(IVA)
夜間の場面において、フェンスを突破した場合にアラームがトリガーされる事例。
9.メタデータとの統合(IVA)
カメラに組み込まれた光学・サーマルイメージのメタデータと統合。状況判断を支援します。たとえば、煙など環境要因で見えなくなった対象に焦点を合わせ、可視性が低くてもアラームをトリガーし、アラーム対象に関連するビデオデータ(ここではサーマル映像)の対象に焦点を合わせることができます。
アラーム発生/トリガーの仕組み
ボッシュセキュリティシステムズ製カメラは、カメラ本体での、オブジェクト検知の各種アクションが設定可能です。
アラームイベントを発生させるためには、オブジェクトの基準ポイントの設定が大事です。
ボッシュセキュリティシステムズ製のカメラは、オブジェクト検知のトリガー動作において、より正確な時点を選択・設定することができます。
アラーム発生/トリガーの動作パターン
下記の4つのパターンが選択可能です。(※エリアからの退出ルールを設定した際は動作が異なります)
① Object base point
オブジェクトのベース(緑の線)が入らない限り、アラートにならない。
② Object center
オブジェクトが中心に入らない限り、アラートにならない。
③ Edge of box
オブジェクト(黄色)がエリアに入らない限り、アラートにならない。
④ Complete box
オブジェクト(黄色)がエリアに全て入らない限り、アラートにならない。
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